続・続私的告白(学生時代篇)

もう随分とまえから、暮らしをささえる風の向きがかわっていたんだね。そんなことにもまったく気づけずに、なにぶん居心地がよすぎたからねそこは。どうやらすこし長く宿りすぎたみたい。特別な季節をいくつもめぐって今年もまた夏が過ぎていく。恥ずかしくなるようないくつかの秘密とさみしいばかりの記憶だけがやさしくとけあってしまうまえに、最後の便りをこの風に乗せよう。ゆっくりと変わっていく雲の形がとても愛しい。ありがとういつかの少年少女。つぎの季節を迎えるころには、きっとあの秘密基地にはもう誰もいない。ありがとう二人ぼっちの小さな世界。目に見えるものは結局この手になにも残らなかったけど、あんなに素敵な時間を生きることができて俺は多分本当に幸せだったんだろうな。やさしい天使が降りてきたらまた新しい暮らしを始めよう。これからそこにあるものは、ひとつの未来とふたつの世界。泣いて笑って共に生きよう。どうか健康には気をつけて、そしてなにより、この先だれよりも幸せになってね。出会えて良かった。いままで本当にどうもありがとう。

じゃあまたね!